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「目ぇ覚めた?」
「覚めた……近くない?」
「こっちの台詞だっての」



桜木が後ろに下がって距離を置こうとするもんだから、何故か咄嗟に、抱き込んでしまった。



「っ……!?」
「もしかしてさぁ、お前無意識でやってんの?」
「……何を…?」
「え」



尚更、質が悪い。



「あのな、無意識みたいだけど、毎晩こうやって擦り寄ってきてんの。昼間もだけど」
「えっ!?え、うそ、」
「んな嘘吐くか」



慌てた様子を見ると、完全に無意識だったようで。
面白いやつ、とか思いながらもなんだか愛おしい。



「ソファ座ってても寄ってきやがって」
「え、えっ……!」
「なに、そんな甘えたいの」



暗くて見えないけれど、きっと顔は赤いんだろう。
ついつい、意地悪したくなる。



「だっ……俺、知らなっ……」
「あれじゃないの、深層心理ってやつ」
「っ……」



桜木が、手を突っぱねて離れようとしてきた。



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