3
夜。
「俺寝る」
「うん」
「………」
当たり前のように着いてきた。
俺と桜木は一緒のベッドに入る。
もはや慣れたというか、不可抗力。
「おやすみー」
「んー」
もぞもぞと、俺は右側、桜木は左側に寄って眠る。
でも、俺はわかってる。
(………きた)
桜木の寝息が聞こえたと思ったら、するするこちらに寄ってくる。
気が付いたら、目の前。
極整な顔が、無防備。
「………」
昼間といい、今といい。
「う………」
眠りが浅かったのか、桜木が目を覚ました。
「う、う……?」
「おま、近すぎ」
「……?」
なんで自分がここにいるのかわからないかのような。
思わずでこぴんしてやる。
「うう…痛い……」
寝呆け眼で額を擦るのが、妙に面白い。
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