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side.修
よくもまぁ、懐いたものだと思う。
桜木くんが落ち着いて、夜になると一緒にご飯を食べた。
今はお風呂にも入って、寝るだけの状態。
桜木くんがよく眠れるように、ホットミルクを出した。
「……これ」
「よく眠れるように」
「あり、がとう……」
両手で包んで、ちびちび飲んでいる。
なんだか微笑ましくなった。
「……ありがとうね」
「?」
「都築の傍にいてくれて」
泣いてしまうほど、懐いていて。
もう当たり前みたいに、都築の傍にいる。
「僕と都築は昔からの付き合いだけど、あまり他人に興味が湧く奴じゃなくてね」
「………」
「一人が好きって奴だったから……桜木くんがきてから、少し明るくなった。他人に壁を作らなくなったんだ」
「おれ、迷惑じゃない……?」
「じゃないよ。だったら都築も僕に留守番お願いしないし。桜木くんのこと、すごく心配して、大事にしてるんだよ」
桜木くんの頬が、少しだけ赤い。
嬉しそうにやわらいだ口元は、マグカップに隠れてしまった。
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