3
side.綾
ぼふん、とベッドにダイブした。
都築の匂いがした。
なんで朝倉さんがいるんだろうと思ったら、都築がいないって。
明日まで、いないって。
じゃあ今日は、一人で寝るんだ。
(………都築、)
何で言ってくれなかったんだ。
でも言ってくれてても、同じ気持ちだったんだろうな。
(………さみしい、)
気付いたら、涙が出た。
「っ、ふ……うぅー…っ」
早く帰ってきて。
都築がいないと、俺、
「都築ぃ……うぇ、っ」
「………桜木くん」
いつの間にか朝倉さんが入ってきて、布団の中に丸まっている俺の頭を撫でてくれた。
「すぐ帰ってくるよ」
「う、っ……ん」
「寂しいね」
「っ、うん……っ」
その手は、温もりも大きさも、都築のとは違っていたけれど。
優しさだけは、同じだった。
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