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side.修
前よりも随分と、顔色が良くなったなと思う。
傷痕は残っているけれど、最初の頃よりは目立たない。
まだまだ細めの身体とはいえ、肉付きは良くなった。
普通に、良かったなぁと思う。
会ったときは、ボロボロだったから。
「……なんで」
「ん?」
「なんで、ここ……都築は?」
……あれ?
もしかしてあいつ、
「何も聞いてない?」
「?」
「………もう」
言いだしにくかったのか。
どちらにしろ、面倒ばっかり押しつけられる。
もう慣れてしまったけど、と苦笑した。
「大学の用事で、明日まで帰ってこれないって。だから僕がきたの」
「え……」
桜木くんの顔が、驚きと哀しみの表情になった。
「都築が言ってるもんだと思って……先に言えばよかったね。びっくりさせてごめんね」
「………」
きゅっと裾を掴んでいるのが見えた。
不安そうなのがわかる。
桜木くんが、突然立ち上がった。
「どうしたの、」
「……もっかい、寝る…」
ぺたぺた足音をたてながら、うなだれて寝室に向かった。
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