3
side.恭平
「おまっ……何、す…」
白い布を取り払うと、違和感に気付く。
……シャツだ、俺の。
今しがた着てたやつじゃない、それは皺くちゃになっていて。
……まるで、握り締めていたような。
「満月、」
「会い、たかったに……決まってんだろぉ……っ」
そう言って両腕で顔を隠した。
頬に涙が伝うのが見える。
「……もし、かして、もしかしなくても、俺のシャツ……」
「っ……」
「抱き締めて、寝てた、とか……?」
「っるさいうるさい!」
きゅうっとなった。
「おれ、っ……俺だって、恭平にっ……」
「……うん」
「触り、たっ……会いた、くて」
「うん」
頭を撫でて優しく聞いてやる。
「ごめんな、俺気付いてやれなくて」
「ふ、ぇっ……う、」
「寂しかった?」
聞くと、ぎゅっと抱き付かれた。
「寂し、かった……」
「っ……」
「でも、っ……仕事、仕方ない、から……言ったら、我が儘っ……」
俺が気にしないように、気丈な振りしてたってわけか。
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