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side.恭平



教師と言えど、出張はあるわけで。
今回はちょっと遠出で、3日ほど家を開けていた。

やっと終わって、自宅に帰らずに向かうは満月の家。
それなりにメールや電話はしてたけど、実際に会えるのと会えないのとでは全然違う。
明日は休日だし、ゆっくりできそうだ。



「みーつき、ただいまー」



合鍵で中に入ると、リビングのソファに座る満月が目に入った。



「早かったね、おかえり」



……あれ?
さらりと言われた。

俺が期待してたのは、「寂しかった」とか「会いたかった」とか言う満月。
涙目で抱き締めてくれたらなお最高……とか思ってたのに。



「……どしたの?」
「や、別に」
「着替えてくれば?」



ぱらりと、満月が本をめくる。
……なんか、普通すぎ、じゃね?

別に泣いてほしいわけじゃない。
俺に会えなくて寂しいとか、思ってくれなかったんだろうか。



(………なぁんだ)



俺だけだったんだろうか。
少し、悲しくなった。



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