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一瞬熱が治まったかと思えば、またじわじわと沸き上がる感覚。
「奈津?大丈夫?」
「う……ど、しよ、あついっ……まだ、足りなっ……」
「え」
「ごめ……っきら、に、なんないでっ……」
汚いやつ、いやらしいやつだと思われてしまったかもしれない。
でも、熱の処理の仕方がわからない。
色んな感情が入り交じって、じわりと涙が滲んだ。
「っ……んなわけない、」
「んぅっ」
航がキスをしてくれた。
微かに苦いそれは自分の味だとわかったけれど、もっともっとと思ってしまう。
「奈津やばい、かわいい。媚薬いれたのは申し訳なかったけど、うん、良かったかも」
「っ……!」
「嫌いになるわけない、こんな好きなのに」
咄嗟に航の首に腕を巻き付けた。
航は嬉しそうに笑って、僕が出したので濡れた指で後ろに触れた。
「あ、んっ」
「触っただけなのに、もう感じてる?」
「う……っ」
「恥ずかしがんなくていいよ、そんな奈津もかわいいけど」
つぷりと、指が入った。
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