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side.綾
ベッドに戻ったけれど、眠れるはずもなかった。
枕元に蹲って、壁に背中を預けた。
膝の間に顔をおいて、オレンジ色の光の中ぼんやり過ごした。
「………」
目を閉じると、思い出す。
自然と身体が震えだして、ぎゅっと自分を抱き締めた。
ぽろ、と涙がこぼれた。
「……ったく」
途端、がちゃりとドアがあいて、都築が入ってきた。
びっくりしているとベッドに乗り上げられ、
「っ……」
腕をひかれて抱き込まれ、そのまま横になった。
「一緒寝てやる」
「う……っいい、」
「意地張んな、泣いてるくせに」
胸の中に抱き込まれて背中を撫でられると、込み上げてくる。
「っ……ぎゅって、して、いい……?」
「いーよ」
背中に手を回して、ぎゅっとしがみついた。
髪を梳くように撫でられて、額にキスされた。
「いつもそんな素直だったらいいのに」
「……うるさいっ……」
憎まれ口叩かれるけど、その声は、優しい。
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