3
 

「落ち着いた?」
「ついた……」



乾いた髪を撫でながら、また腕の中に抱き込んだ。
小さな肩に、俺がしっかりしなきゃと、何故か強く思う。



「細い身体だなあ」
「……るさい」
「眠くない?」
「………」



ぎゅっと桜木の身体が固くなるのがわかった。
夢を思い出したのだろう、しまった、と思いながら背中を撫でた。



「寝たくないならいいけど」
「………都築、は、」
「俺?俺はまぁ……明日休みだし」
「まだ、寝ない……?」
「うーん、眠くないし」



桜木が身動ぎして、俺の腕の中から離れた。



「?」
「寝る……」



小さな声で言われて、ゆっくりと桜木が歩いていく。
その背中が、なんだか哀しそうに見えた。



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