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「………」



少し眠っていたらしい。
頭をかきながら上半身を起こすと、傍らに桜木が突っ伏して寝ていた。
目尻に少しだけ、涙が見えた。

机の上は、飲み物やら冷却シートやらでいっぱい。
買いすぎだろ、と苦笑した。



「桜木」



そんなとこで寝たら、また風邪ひく。
揺すり起こすと、少し唸って、目を覚ました。



「つ、づき……」
「お前のが風邪ひく」
「っ……駄目、ほら、寝ててっ」



はっとしたように、肩を押さえ付けられた。
ベッドに身体が沈んで、桜木に馬乗りにされてる状態。



「あ……ごめ、」



少しだけ顔を赤くして、桜木が上から退いた。
寝呆けてた、という桜木が、なんだか、愛おしくて。



「……俺、なんか食べ物、っ」
「こっち」
「う、え、っ」



腕をひいて、ベッドの中に引きずり込ませた。
突然のことに身体を固くする桜木の背中を撫でて、胸の中に抱き込んだ。



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