2
 

side.綾



「大人しく寝ろっ……」
「えー」
「えーじゃない!」



俺よりも随分と身長の高い都築を、ようやくベッドに寝かせた。
薬は俺のが残ってたはず、ご飯とか、氷とか、



「あ、雑誌読みかけだった」
「起き上がるなっ!……俺が取ってくるから!」



リビングの、今しがた都築が読んでいた雑誌を引ったくって、投げつけた。
けれど都築はそれを読まず、俺の顔をじっと見たまま。



「……なに」
「や、慌てすぎじゃね?たかが微熱だし」
「っ……心配してんのが、わかんねぇのかっ」



馬鹿にされた気がした。

俺のせいで風邪ひいて。
微熱だしそんなにきつくはなさそうだけど、やっぱり身体に負担はあって。
心配で、心配で。

都築がいなくなったら、俺、



「……買い物、行って来るっ……」
「あ」



泣きそうになって、逃げるように家を出た。



前へ top 次へ

 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -