6
 

「何、眠たくねーの」
「っ………」



ふるふる。
どっちなんだよ。

ただ、きゅっと背中に回された手が。
心細そうで、なんだか、はがゆくて。
愛おしいと、思えて。

抱えたまま、俺もベッドに潜った。
腕枕をし、髪を梳いてやった。



「都築……」
「ん、」



擦り寄ってくる体温は、いつもより高め。



「都築の、とこ……」
「?」
「あんしん……す…る…」



言葉が途切れて、代わりに寝息。
この世で俺だけしか知らないみたいに、俺にくっついてくる。
そんな桜木を、愛おしいと思う自分がいることを、俺は知ってる。



「おやすみ」



無防備な寝顔を見ながら。
ずっと俺が、桜木の安心する場所でありたいと、柄にもなく思った。



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