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「これ、飲み込む、の……?」
「え」
「おれ、」



……もしかして、薬飲み込めない、とかいうやつ?



「……くすり、飲んだことない……」
「……あー」



どうしよう。



「ん、貸して」
「へ」



コップと薬を奪った。
おもむろに薬を口に含んで、水も少々。
ぽかんとしている桜木に、



「んぅっ……」
「………」
「ふ、ぅっ……うぅーっ」



口移しで、薬を流し込んだ。
最初は嫌がったものの、長いそれに唾液を嚥下すると同時に、薬も飲み込めたようで。



「っは……ぁ、」
「飲んだ?」
「っ……のんだ、」
「……睨むな、お前が自分で飲めないっつっただろ」
「なんか、一言いえっ…」



手を突っぱねられた。



「つか、着替えたが良さそう」
「………」
「馬鹿、着替えさせたりしねーよ。自分でできるだろ?」
「っ……」



着替え持ってくる、と空いたコップと共に寝室を離れた。



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