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普段、俺は風邪とかあんまりひかない。
薬もないし、こういうときどうしていいかわからない。
「僕は都築ん家の専属医じゃないって何度言えば……」
「来るっつったの朝倉だろ」
「都築に任せるなんて心配すぎて」
「………」
頼みの知り合い研修医、朝倉修。
すやすや眠っている桜木の熱や血圧を測ったり。
「そんな高熱じゃないし、ご飯ちゃんと食べて薬飲んで体力戻したら、治るよ」
「……ええと、飯、とは」
「消化にいいやつ。コンビニ弁当は駄目だよ。おかゆとか作れる?」
「……そんくらいは」
「うん。薬とか飲み物とか、必要そうなものは買ってきたから」
なんだかんだ言って、医者だ。
お節介にもほどがある、お人好し。
「……さんきゅ」
「いーよ。……それに、なんか楽しいし」
「?」
「他人に興味なかった都築が、こんな必死なのが見れてさ」
「っ………」
「じゃあね」
言ってくれた。
あながち、間違いでもないと思う。
こんなに長い間、誰かのことばかり考えたのは、初めてだった。
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