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side.綾
直ちゃんから無理矢理抱かれた日を皮切りに、俺は色んな人に襲われるようになった。
同じ施設のこ、高校のこ、時には先輩だったり。
俺の何かが悪いのかと思った。
何が悪いのか、わからなかった。
ただ俺は、自分のかんばせを憎んだ。
高校に上がるにつれて、みるみる変わっていくそれに、俺自身も戸惑った。
俺を無理矢理犯したやつらは、決まって言う。
―――かわいくなった
―――我慢できなくなった
街に出ると、よく声をかけられた。
男にしてはそんなに背が高いわけでもないのに、芸能事務所やらなんやら。
俺は、自分自身が、嫌いになった。
誰にも言えなくなった。
周りは敵だと思った。
俺を救ってくれるやつなんて、どこにもいなかった。
誑かしてるわけじゃない。
誘ってるわけじゃない。
誰も、俺に、近寄るな。
「ひぅっ……ふ、」
夜、疲れた身体をベッドに沈めて泣くのは、いつものこと。
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