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side.満月



「ど、どうしたんです?」



慌てる奈津を落ち着かせて、話を聞いた。

私を傷付けないように。
傷付けたくなかったから。
眠るのをやめた、と。

泣きだしそうな顔をして、奈津がそう言う。
ほんとに、この子は。



「みっ……先生!?」
「はい、もうちょっとつめて下さい」



奈津が横たわるベッドに、潜り込んだ。
驚いたままの奈津を抱き込んで、横になった。



「せんせ、?何して……」
「こうしていれば、大丈夫でしょう?」
「え、」
「一緒に寝ていたら、私が起こしてあげられますよ」



ね?と、言い聞かせるように笑いかけると、奈津がはにかむように笑って、胸元に顔を埋めてきた。

しばらくして聞こえた、安らかな寝息。
柔らかい髪を撫でながら、俺もまた、目を閉じた。



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