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side.綾



優しい時はいつまでも続かないものだと、思い知らされた。
自分と周りの変化に驚いたのは、紛れもない俺自身。
けれど抗う術もなく、ただ、絶望するだけだった。

それは、15になったくらいのこと。





「ただいまあ」
「おかえりー、綾」
「あれ、直ちゃん早いね」



直ちゃんが飲み物を飲みながら、台所から顔を出した。

直ちゃんこと岡崎直は、俺の2つ上。
俺と同じく物心ついた時から施設にいたから、兄みたいな存在だった。
しっかりしてて、かっこよくて、施設の中でもリーダーみたいなものだった。
俺は、直ちゃんが、だいすきだった。



「そいや、高校の友達からゲーム借りてきたんだ。俺の部屋きなよ」
「まじで!行く!」



俺は急いで自分の部屋に行った。

施設は小さな寮みたいになっていて、台所や風呂は共同。
15歳以上は2人部屋から1人部屋に分けられて、俺にもようやく、1人部屋ができた。

学校の鞄を投げ出して制服から着替え、隣の直ちゃんの部屋に向かった。



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