5
 

「は、ンっ……」



顎を掬われて、唇が重なった。



「ん、んぅっ、」



段々と舌が絡まって、お風呂の熱と身体の熱で、頭がぼんやりしてくる。



「は、っ……」
「顔赤い」
「っ……盛ってんじゃねーよ!」
「ぶっ」



樹の顔にお湯をかけてやった。



「おまっ……口入った」
「知るかっ」



樹に背中を向けると、手を重ねられた。



「……小さいよな」
「馬鹿にしてんのかよ!」
「してないよ」



そのまま口に持っていかれて、指にちゅっとキスされた。
その指は、たしか、



「指輪、買ってやる」
「えっ」
「変な男が寄ってこないように」
「……俺もだけど、樹も相当素直じゃないよな」



……誕生日プレゼントって、言えばいいのに。



「……素直だろ」
「いーや、違うね」
「………」
「………」



どっちからともなく、吹き出して笑った。



「誕生日、おめでとう」
「……ありがと」



来年の今日も、どうか、



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