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「は、ンっ……」
顎を掬われて、唇が重なった。
「ん、んぅっ、」
段々と舌が絡まって、お風呂の熱と身体の熱で、頭がぼんやりしてくる。
「は、っ……」
「顔赤い」
「っ……盛ってんじゃねーよ!」
「ぶっ」
樹の顔にお湯をかけてやった。
「おまっ……口入った」
「知るかっ」
樹に背中を向けると、手を重ねられた。
「……小さいよな」
「馬鹿にしてんのかよ!」
「してないよ」
そのまま口に持っていかれて、指にちゅっとキスされた。
その指は、たしか、
「指輪、買ってやる」
「えっ」
「変な男が寄ってこないように」
「……俺もだけど、樹も相当素直じゃないよな」
……誕生日プレゼントって、言えばいいのに。
「……素直だろ」
「いーや、違うね」
「………」
「………」
どっちからともなく、吹き出して笑った。
「誕生日、おめでとう」
「……ありがと」
来年の今日も、どうか、
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