6
ベッドの横で、俺は書類に目を通していた。
「……寝ろって言っただろ」
「だって、」
視線を感じると思ったら、日向がこちらを見ていて。
さっき目を覚ましたばかりだから、眠れないんだろう。
「仕事あるのに……ごめんなさい」
「いいから、寝ろ」
「……眠れない」
「……ったく」
ばさりと書類を置いて、ベッドに乗り上げた。
日向の頭を撫でてやる。
「寝るまでいてやるから」
「……今日、変だ」
「は?」
「いつもより、優しい」
はにかんだように、日向が笑うから。
「心配してんだよ。だから、」
「ん……ありがと、ね……」
安心しきった顔をして、眠った。
……これからはもうちょっと、甘やかしてやろうか。
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