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side.日向



「……ん、?」



目を覚ますと悠の匂いがして、部屋に寝かされているのに気付いた。
生徒会室で仕事してて、それで、



「あっ!」



最後の大事な仕事、終わってない!
あのデータがないと、みんなが困ってしまう。

悠がいないのを良いことに、部屋を飛び出した。
まだ学校自体は開いているはずだ。
今日中に送らないと、



「わ、わっ……!」



寝起きだからか、身体がふらふらする。
寮から外に出た瞬間につんのめって、人にぶつかって、



「す、すみませ……」
「ひな!?おま、何やって」
「!」



悠だった。
片手に封筒を持って、片手で僕を支えている。



「何うろついてんだ、大人しくしてろよ!」
「っ……」



悠は生徒会長としては厳しいけど、いつもそれは的を得ているし、冷静に怒る。
こうやって声を荒げることは珍しくて。



「う、わっ」



急に横抱きにされて、思わず悠の首にしがみついた。



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