3
 

保健室から出て、俺の部屋に連れて行った。
未だくたりとした日向は目を覚まさず、ベッドに寝かせた。



「う……」



額の髪を払うと身動ぎされた。
顔色はさっきよりも良くなっていて、安心した。
けれど袖から覗く腕は、確かに前よりは細くなっている。
一緒に食事を取る時間もなく、抱くこともできなかった。
日向の変化に、気付くことができなかった。

倒れるくらい頑張っていたのに、俺は気付いてやれなかった。
一番気遣ってやらなきゃいけないはずなのに。

生徒会長と書記の関係から、こいびとになれたのに。
距離が近くなったはずなのに、これじゃあ。



「ごめんな……」



すやすや眠る日向の髪にキスをした。

目を覚まして、体調が良くなったら、一緒に飯でも食いに行こう。
甘えさせて、触れて、抱いて。
生憎俺は、しばらく日向と接していなくて苛立っていた所だった。



もう生徒会室も閉めた頃だろうか。
日向の寝顔を確認して、部屋を出た。
裕二から書類を貰わなければ。
残念なことに、生徒会長の仕事はまだ山ほど有る。



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