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「ちょっ、おい、日向!?」



馬鹿でかい音と騒がしい五十嵐の声に、俺は反応した。
五十嵐がしゃがみこんでいて、そこには、



「五十嵐、そこどけ」



日向が、倒れていた。
ここ数日、かなり頑張っていた。
疲労が重なっていたのだろう、顔が真っ青だった。



「保健室に、」
「俺が連れてく。……お前じゃ抱えらんねぇだろ」



五十嵐は日向より少しだけ背が高いくらいだ。
それに、俺以外にはあまり触らせたくないという、勝手な独占欲。



「裕二、あとで俺の部屋に書類とか持ってきてくれ」
「りょーかい」



裕二は軽快に返事をして、俺は日向を抱えあげた。
熱はなく、どうやら貧血か何かのようだ。



「貧血ですねぇ。この様子だと、ちゃんとご飯も食べていなかったんでしょう」



保健室に連れて行くと、満月先生がため息をついた。
確かに元々細身ではあったけれど、身体が細くなった気がする。



「今からここで休ませてももう閉めますし、寮に連れてってあげてください」



窓の外は夕暮れから、夜へ移ろうとしていた。



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