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え、俺?
別に、怒ってない。



「怒ってないって言った」
「でもっ……怖い、かった」



桜木がそう言って、またぐずぐずと泣いた。

突然、吐きそうとか言うもんだからそりゃ驚いた。
連れて行こうとしたら立ち上がったから、また驚いた。
同時に、何だ平気なのか良かった、と思って。

……で、またレポートを書き始めたわけで。



「怖かった?そりゃごめん」
「っ……叩くしっ」
「え、あれは」



びっくりさせんなよ、という気を込めていたつもり。

全くの空回りだ。
俺は桜木の横に座って、小さな頭を抱き寄せた。



「ごめんて。怒ってねえから」
「うー…っう」
「ただ、んなことされたらびびるから、もうやるな」



心配になんだろ、と背中をぽんぽんと叩いてやった。



「……つーか、何でわざとんなことしたわけ」



ふと、疑問が湧いた。



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