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「っ……!」
目を覚まして、肩で息をした。
保健室の、ベッドの上。
カーテンで区切られた世界には、僕一人だけだ。
一人、孤独。
頭が混乱したまま。
逃げられない恐怖と、許してほしい懇願。
終わらない地獄の無限ループ。
ポケットに手を突っ込んで、カッターナイフを探す。
手には何も当たらない。
焦り。
早く、恐怖から逃げたい。
ない。怖い。
助けて。
誰、か。
逆のポケットに、それはあった。
ただ、必死だった。
まだ赤い跡が残る左腕に、刃をあてて引いた。
皮膚が柔らかくなってしまったそこは、簡単に破れて赤が溢れ出る。
何度も、何度も。
忘れられるように。
恐怖を、流す。
「っ、う……ふ、」
涙と、赤が混じる。
誰か、もう、助けて。
僕をここから―――。
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