4
side.恭平
何も話すことはない、と。
満月ははっきりとそう言った。
「あ、……んッ」
「お前は誰にも渡さねぇ」
「なに、言っ……」
ソファに組み敷いて、シャツをはだけさせた。
肌を撫でるように触れて、額に、頬に、唇に、キスをした。
「やだ、恭平っ、こわっ……」
「うるさい」
「痛っ…」
嫌がる満月を押さえ付けて、首元に歯を突き立てた。
微かに赤が滲んで、ぺろりとそこを舐めた。
「離せ、っ!」
「っ」
ぱん、と頬を叩かれた。
「ふぅっ、う、っ」
「あ……」
満月が泣いて、顔を背けた。
段々頭が冷えてきて、満月に怖い思いをさせたのを後悔した。
……こんなやつ、嫌いになって、当たり前だよな。
「ごめん、」
「うっ、うー…っ」
「ごめんな」
震える身体を、抱き締めた。
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