5
side.満月
「……恭平?」
反応が鈍くなってきた。
髪を触るこっちも、ゆるやかな時間に睡魔がやってきたくらいで。
「……寝てる?」
思わず、顔を覗き込んだ。
「んぅ、ッ」
「……寝てねーよ」
覗き込んだと同時に頭をひかれ、唇を重ねられた。
「っ……もー終わり!早くどいて」
「えー」
「えーじゃない」
「きもちーんだもん」
「ちょっ……足撫でるな!」
ゆるやかな時間。
奈津や高梨と過ごす時間も好きだけれど、この時間だけは特別だ。
「……また、してやるから」
「!……この続きもな」
また、唇を重ねた。
あまえんぼも、悪くない。
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