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side.譲



珍しく会えないと言われたら、音信不通になって。
やっと声聞けたと思ったら、泣きながら会いたいと言ってきて。



「雨宮」



俺の部屋に連れ込んで、抱き締めた。
涙は段々止まってきて、ごめんなさい、と雨宮が身体を話した。
赤い目が痛々しい。
思わず顔を寄せて、



「やっ……!」



唇が触れようとした瞬間、雨宮がびくっと拒否した。
また泣き出しそうな目をして、口を押さえていた。



「ごめ、ぼく、っ……せんせに、触られるしかく、ない」
「は……?」
「ぼく、きたなっ、……うらぎった、先生を」



雨宮は目をあわせなかった。

汚い?
裏切った?
何の話をしてるんだろう、



「せんせ、以外のひとと……っ」



頭が、真っ白になった。

くいっ、と無理矢理襟元を引っ張ると、赤い印があって。
俺のじゃないことは、一目瞭然。



「ごめんなさい、っ……」



大切に、していたつもりだった。
理性で抑え込んで、大事に大事に、していたつもりだった。
怖がらせたくなくて、嫌な思いをさせたくなくて、雨宮が許すまではと手は出さずにいた。

なのに、
俺以外のやつと――――?



「まじ、か」
「っえ、う、っ」



なのに、会いたいなんて。
雨宮がなに考えているのか、わからない。

いや、きっと何言われてもわからない。
動揺しきってる。



「きら、っに」
「や、そういう話じゃなくて、」



嫌いになったとか、そういうことじゃない。
ただもう、信じられなかった。

俺じゃなくても、雨宮は良かったんだなぁと。
思ってしまったから。



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