2
休日、僕は久しぶりに一人で過ごした。
いつもは先生と一緒にいるのに、体調が悪いと言って、あわないようにした。
「……あ……」
何もしたくなくて、ベッドにただ伏せていた。
それでもお腹は鳴る。
部屋には何もなかったから、コンビニで何か買おうかと思った。
ふらふらした。
気分は悪かった。
寮を出た瞬間、僅かな段差に気がつかなかった。
「あっ……」
「っぶね、」
ぐい、と腕をひかれて、足が宙に浮かんだ。
「すみませ、っ」
「………雨宮?」
はっとして顔をあげた。
……乾、君。
思わず、体が強ばったのがわかった。
「雨宮、」
「ひっ……」
「お前ふらついてる」
こわい、こわい。
もう、いやだ。
「や、やだっ……」
「……ンな怯えんなって」
あっという間に、横抱きにされた。
頭のなかがいっぱいいっぱいで、気付いたら、真っ暗になった。
前へ top 次へ