5
その場で服を脱がされた。
教室の机に座らされ、無理矢理足を開かされた。
嫌だと心が叫んでも、先生が、と頭の片隅で言葉を引き止めた。
先生が学校を辞めさせられるなんて、絶対に、駄目だ。
重荷には、なりたくなかった。
「肌白いな」
「っう……」
はだけたシャツの前に、手を滑らされた。
するする、と下に伸びて、下肢に触れられる。
恐怖でそれは反応してなかったけど、乾くんが触れていくと意思に反して反応しはじめる。
こんな身体が嫌だった。
「気持ち良くしてやるよ」
「っん、あ……っ!」
必死に、手で口を塞いだ。
乾くんは相変わらず、僕を追い詰めた。
「先生の前でもそんな声出してんの?」
「んっん……ふ、うっ」
そして僕は、乾くんの手の中で果てた。
どうして、こんなことするんだろう。
僕のことを恨んでいるのかもしれない。
憎んでいるのかもしれない。
単純に、面白がっているのかも。
どちらにしろ、僕は、弱みを握られた。
先生に、迷惑かけたくなかった。
拒否できるはずなかった。
言えるはずもなかった。
「また、明日もな?」
僕は、その日から、秘密事をするようになった。
前へ top 次へ