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「雨宮」
「……?」
先生と別れて、教室に戻った。
しん、とした教室に響く、僕を呼ぶ声。
「乾くん、」
ゆっくりと教室に入ってきたのは、同じクラスの乾龍平くん。
派手な見た目で、性格も割とチャラチャラしている。
タイプが違うから、そんなに喋った事はないんだけど……。
「雨宮ってさあ……日高先生と仲良いよな」
「っえ、」
「俺さー、さっき見ちゃったわ……こ、れ」
見せられた、携帯。
僕と、僕を抱き締める先生の姿。
さっきのだ。
「こういう関係なんだ?」
「な、なに、をっ」
「あは、動揺してる」
格好良いと評判の乾くんの顔が近付いた。
目の前で金髪が揺れる。
「雨宮かわいい顔してるもんな」
「なっ……」
「俺にも抱かせてよ」
する、と腰を撫でられた。
びくっと身体を縮こませると、乾くんはにやりと笑った。
「いいの?先生との関係バレても」
「……!」
「生徒に手ぇ出すなんてさ……バレたらこの学校にはいられないだろうな」
脅しだ。
わかってる。
けれど、間違っていないことも、わかっていた。
「ねぇ、雨宮?」
僕は、
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