6
「雨宮、ごめんな」
「………っ」
「一人で、不安がるな……」
ちゅ、ちゅ、とカサカサの皮膚に唇が寄せられた。
先生の腕からは、今も、赤が流れていて。
「もっと、甘えろよ」
「せん、せ……」
「俺、雨宮がいないと、駄目なんだよ……」
きゅ、と抱き締められた。
頭を撫でられて、首元に顔を埋められた。
つ、と涙がこぼれた。
「せんせ、痛い……?」
「……うん、痛い」
「ごめんなさい……」
「雨宮のが、もっと痛いだろ」
僕は、先生がいないと生きていけない。
―――俺、雨宮がいないと、駄目なんだよ。
共依存。
弱い僕ら。
「雨宮……」
「せん、せ……」
苦しみなら、同じ苦しみを。
悲しみなら、同じ悲しみを。
ぽろぽろ泣きながら、何度も何度もキスをした。
どちらの涙か、
どちらの唾液か、
どちらの、血か、
わからないままに。
二人で、溶け合えばいいのに。
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