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僕は、僕が、嫌いで。

我が儘なところ。
自分勝手なところ。

本当は先生と、楽しく笑っていたいのに。
笑うことができない。
先生が困ってるのがわかる。
困らせてるのが、わかる。



「っはぁ、は……っ」



僕はどうして、こんなに不器用なんだろう。
素直じゃないんだろう。

先生は僕といて、楽しいのだろうか。
僕のこと、好きでいてくれるのだろうか。



「っえ……ふ、ぅ、っ……」



涙と一緒に、赤が流れる。
ほら、僕は汚い。

頭の中がぐちゃぐちゃで、そのままカッターを振り下ろした。
何度も傷つけられたそこは柔らかく皮膚が盛り上がっていて、簡単に深々と刃が刺さる。
鈍くなった痛覚を頭の隅で感じたあと、遅れてじわりと血が滲んだ。
ぽた、とフローリングに滴る。



「ひっ、く……せん、せ……っ」



ただ呟いて、メールを受信した携帯を、静かに電源を落とした。



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