6
 

突然ジャージを脱がされて、慌ててる間に温かいものに包まれた。
……先生の、匂い。



「帰るまでそれ着てろ。これは没収」
「え」
「さすがに下は貸せないから我慢してやる」



裸の上半身に掛けられたのは、先生が今しがた着ていた上着。
あたふたしていたら、先生がぎゅっと襟を手繰り寄せてきた。



「ちゃんと閉めてろ。そんな肌見せたら襲うぞ」
「おそっ……」
「冗談だよ」



からかうように笑われて、頭を撫でられた。

……他のひとの服着たら、嫌なのか。
よくわからないけれど、先生が嫌がることはあんまりしたくない。



「他のひとの服は、だめ」
「ん。覚えとけ」
「先生のは、いい……?」
「っ……」



先生が、固まった。
顔が近付いて、



「ん、」
「可愛い」
「へ……?」
「俺のだけだからな」



先生が両手で頬を包んで、じっと見つめて言うもんだから。



「……はい」



返事をして、目を瞑った。



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