5
side.譲
雨宮が泣き出して、はっとした。
「な、にっ……せんせ、こわい……っ」
「あ……」
「やだ、やだぁっ」
両腕で、顔を隠されてしまった。
「……ごめん、泣かせた」
「っえ、……う…」
「怖がらせて、ごめん」
雨宮の身体を起こして、腕の中に抱き込んだ。
恐る恐る、雨宮が背中に手を回してきた。
「怖いの、や、です……っ」
「ん、悪かった」
「なん、ですか……僕、なにか悪いことっ……」
「や、違う」
ぽんぽんと背中を叩いて落ち着かせる。
時折頭を撫でると、安心したように肩に頭を乗せてきた。
「俺の嫉妬」
「……?」
「他のオトコの服着てるから」
「……え?」
……あ、わかってない。
「こいびとが他のやつの服着てたらやなんだよ!しかも肌、見せすぎだし」
「また、それ……」
「雨宮は無防備すぎ」
「わっ……」
油断してる隙に、上のジャージをがばっと脱がした。
前へ top 次へ