2
 

バレー部で長身の宮沢のジャージは、見事にぶかぶかだった。



「陸も俺もズルズルだー」



館林が笑いながら余った裾を引っ張ってきた。



「お前小さいからな」
「ひっどー」



如月と館林は付き合っている。
羨ましいなぁと、思わず見てしまう。

同世代って、価値観も近いし。
同じクラスってだけで、一緒にいられるもんな。



僕が先生と会えるのは、授業中と放課後。
用事がないと職員室には行けないし、先生の部屋に誘われるけど、自分からは到底言えない。

今日は国語の課題があって、放課後にクラス委員が持っていくことになってる。
如月は昨日の英語の課題を持っていってくれたから、今日は僕が持ってく日。

今日は授業がなかったから、初めて先生に会える。



「失礼します……」



放課後の職員室は、先生たちもまばら。
いつもの席に、その姿はなかった。
廊下に出て、メールを送る。



『今どこですか?課題どうしたらいいですか?』
『悪い、準備室もってきて』



すぐ返ってきた返事に、頬が緩んだ。



前へ top 次へ

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -