2
考え出すと駄目だった。
将来への不安。
僕は、どうなるのか。
……先生は、いつか、いなくなるんだろうか。
先生のそばに、いたい。
思うのは簡単だけど、実際はきっと、もっと難しい。
「っ……!」
気付いたら、また傷を重ねてしまっていた。
「っ、はぁ……はっ」
息が苦しい。
心臓がうるさい。
腕は、何も、感じない。
先生、
先生に、会いたい。
―――先生の声、聞きたい。
「けほっ……は、っ」
震える手で、床に落ちてる携帯電話を拾った。
履歴で一番に目につくのは、先生の名前。
3コール目で、繋がった。
『……雨宮?』
優しい、いつもの声。
僕は静かに目を瞑る。
『……おい、どうした、』
少しだけ、声が低くなる。
優しい声だけ、聞かせてほしいのに。
前へ top 次へ