2
 

「そこの机、置いといて」
「はい」
「お疲れさん。……あ、雨宮、ちょっと話が」
「はい……」
「如月、帰っていいぞ」



僕も如月に、楽しんできてね、と伝えた。
職員室に、二人っきりになる。



「楽しんできてね?」
「あ……デート、って」
「……妬いてる?」
「っ……てない!」



お祭り、一緒に行けないかなぁ、とか思ったけど。
やっぱり先生は働いてるし、忙しいかもだし、僕からは、誘いにくい。
……先生が誘ってくれればなぁ、なんて。



「まだ、忙しい、ですか……?」
「んーん、もう終わり。見回りしなきゃだけど」



ぱたんとノートパソコンを閉じた。
いつの間にか窓の外は夕暮れで、もうすぐ夜がやってくることをしらせた。



「一緒、見回り行く?」
「え」
「一人にするのも心配だし」



誰もいないのを良いことに、ぐいっと手をひかれた。

廊下を歩きながら、先生は鍵やらチェックしていく。



「………せんせ、」
「ん?」
「……なん、でもない」



………お祭り、誘ってくれないのかな。



前へ top 次へ

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -