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「今日、祭りらしいな」
「あぁ、花火……如月は、館林くんと行くんでしょ?」



わざとらしく言うと、如月は珍しく照れてそれを隠すように、まぁなと答えた。

如月はクラス委員で、僕は副委員。
館林くんはクラスの子で、如月と付き合っているとか。



「雨宮は行かないのか」
「んー……多分」
「……そうか」
「ほら、さっさとこれ終わらせよ。早く行かないと、場所なくなっちゃうよ」



努めて、明るい声を出した。
……お祭り、行きたいけど。

放課後、夏休みの補習終わり。
提出課題を集めて、あとは先生に渡しに行くだけだ。



「失礼します」



ノートを二人で分けて持って、職員室へ。



「おー早かったな」



提出先は、日高先生。
夏休みで職員室の先生達もまばらで、日高先生はパソコンを開いてコーヒーを飲んでいた。



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