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side.譲



呼んでも、叫んでも、
この声は一生届かない。

雨宮も、俺の手から、いなくなる。



「っ……!」



反射的に飛び起きた。

部屋はまだ明るくて、夕方くらいだということを示している。
うとうとして、ソファで寝てしまったようだ。



「………はぁ、」



どっ、どっ、と脈の速い心臓を落ち着けるように深呼吸をした。
息が、うまく吸えない。



「あま、みや……」



呼んで、頭をくしゃりと抱えた。

あの日から、まともに会話していなかった。
学校で会うことはあれど、避けられているのは明らかで。

会いたくて、会いたくて。
夢に出てしまうくらいに。
律みたいに、いつの間にかいなくなってしまう気がして。

思わず、苦笑。
俺、全然駄目だ。
散らかった部屋の中、記憶に薄いまともな食事。
雨宮から拒絶されて、何もできなくなる。

とことん、依存してる。



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