5
 

頭を撫でる手で、目が覚めた。



「……ん、ぅ……?」
「おはよう」



目の前に、先生の顔。



「へ、あ……僕、寝てっ……」
「まだ寝てていーぞ」



離れようとした身体を、また引き寄せられた。



「がっこ……あ、」
「土曜」
「……そうでした」



暖かい。
僕、幸せだ。

同時に、涙が出た。



「雨宮……?」
「……ごめ、なさっ……」



僕だけが、幸せで。

ごめん、ごめんね。
お兄ちゃん。



「ごめん、なさいー……っ」
「………」



僕はただ、謝ることしかできなかった。



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