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side.譲



「あまみ、っ」



タオルで頭を拭きながらリビングに行くと、雨宮がソファに横になっていた。
最初は何かあったかとゾッとして、けれど柔らかな表情に拍子抜けした。

しかし、目に毒。
着替えを渡したのには他意はなかったのだが、思わぬ姿に焦る。
同時に、こんなに身体が細かったのかと驚いた。



「雨宮、」
「……ん……」



シャツ1枚で、ソファに蹲って眠っていた。
無防備すぎるそれにまた苦笑して、軽い身体を持ち上げた。

雨宮に手を出す気はなかったけれど、一緒に寝たらどうなるかわからない。
ベッドは雨宮に渡し、俺はソファに寝ようかと思ったのだが、



「せん、せ……」
「……はは、」



呟いたそれと、きゅっと裾を握る手に、笑みがこぼれた。
一緒にベッドに潜って、抱き込むように腰に腕を回した。
髪を無意識に梳いていたら、雨宮が身動ぎして擦り寄ってきた。

いとおしい。

でも、俺はこれ以上、雨宮を自分のものにできないでいる。
何か失うことの怖さを、忘れられないでいる。



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