3
誰もいないのをいいことに、仕事で火照った身体が熱くて袖を捲っていたのだ。
腕を掴まれて、まじまじと傷を見られた。
(きら、われるっ……)
(……気持ち悪いって……)
僕はパニックで泣き出してしまった。
「おい、何泣いてんだっ」
「……嫌だ、っ……見な、で……!」
けれど先生は、手を離さなかった。
「……これ、自分でやってんのか?」
「………」
「答えろ」
「っ……」
うまく言葉が出ずに、小さく頷いた。
「……そっか」
やっと先生は、手を離してくれた。
俺は即座に袖を下ろし、俯いて震えていた。
嫌われたと。
軽蔑されたと、思った。
けれど先生は、
「っ……!?」
屈みこんで僕の頭を押さえて、触れるだけのキスをしてきた。
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