6
 

side.譲



めちゃくちゃにしてやりたい衝動を理性で抑えて、ゆっくりと、陸の身体を揺さぶった。



「う、ン、んっ……」
「身体、痛くない?」
「へ、き……です……」



苦しそうに眉間に皺をよせながらも、笑おうとしてくれる。
本当はきついのだろう。

ぐ、と脚を高くあげると、驚いたように陸が目を見開いた。



「っや、やだ、っ……あ!」



声色がかわる。
奥を狙うと、甘くて高い声が響く。



「や、あっ……!んっ、そこ、やっ……!」
「……やめていいの?」
「っ……や、です……」



虐めたくなってしまう。
可愛い、可愛い、恋人。

たまらなくなって、律動を速める。
すっかり緩んだ陸の秘部は、水音を鳴らす。



「あ、っあ……んあっ」
「っ……陸、」
「せ、んせ……っ」



ギシギシと鳴るベッドのスプリンクの音に混じって、陸の声が聞こえる。

生徒に手を出しているという背徳感の中に、俺のものだという優越感。
どちらにしろ、同じだ。
教師と生徒という関係がなくなっても、一生、隣にいるつもりだから。

傷だらけの腕にキスをすると、相変わらずびくりと身体が反応する。
快楽のそれとは違う反応に、俺は構わずキスを続ける。



「や、せんせ、やぁ……」
「やめない」



律と、同じ血。

あのときのことを、昨日のように思い出せる。
律に縛られていた、陸。
律を忘れられなかった、俺。

同じだと思った。
同じ傷を、持って。
いや、俺よりも、深い傷を持って。

俺が傍にいてあげなければ、と思った。
一人ではないよ、と。
もう、傷付かなくていいよ、と。

同時に、俺は陸に、癒しを求めていて。



「ふ、ぁ、あっ……ッ」



愛しい。
大切なこ。

共依存して、生きてきた。



「せんせ、な、へんっ……なに、出っ……」
「……名前、呼んで?」
「っ……ゆ、ゆずる、」
「っ」
「あ!」



想像以上のそれに、自身が反応してしまう。
笑えるくらいに、陸に溺れているらしい。



「あ、ゆずる、もっ……だめ、」
「ん、」
「あっ、ンぁ……あっ、あっ……!」



びくびくっ、と陸の細い身体がはねた。
同時の締め付けに、俺も欲を吐き出してしまう。



「ん、ん……」



気を失ったのか、眠ってしまったのか。
くたりとした陸の額に、そっと、口付けた。



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