5
「平気?痛くない?」
「んっ……だいじょ、ぶ……」
先生が何度も気にしてくれるから、僕は一生懸命、笑った。
長い指が、何度も髪を撫でる。
「ぅ、あ……っ」
後ろに、先生の指の感覚がした。
そんなところ、と思ったのもつかの間、変な感覚が僕を襲う。
「ぅ、う……っあ!」
「……ここ?」
「っ、あ、なに、変っ……」
先生の指が一点を掠めると、びくっ、と身体が反応する。
自身を触られたのとはまた違う、けれど似た、感覚。
「や、なに、やぁっ……!」
「おとこでも気持ちよくなるトコ」
「あっ……」
ずる、と先生の指が抜かれる。
もう、どれくらい経ったんだろう。
僕は息をするのも、ままならなくて。
「せ、んせ……」
「ん、」
手を伸ばすと、近づいてくれた。
抱き締めて、先生の匂いを感じる。
ふと、後ろに、熱い何かが宛がわれた。
ぐ、と入ってくる。
「っあ、あ……!」
「っ……」
先生のだ、と思い至って、指とは違う質量のそれに、先生の首に回す腕に力を込めてしまう。
「せん、せ、っ……」
「ん、もうちょい……」
「っう、あ、っ……!」
背中を撫でてくれたり、キスをしてくれたり。
ゆっくりゆっくり、先生が挿入ってくる。
気付いたら、息が上がっていて。
「挿入った、」
「っは……ぅ、」
「きつくない?大丈夫?」
先生が、頭を撫でる。
顔が、いつもと違う。
大人の、顔。
色気って、こういうことかもしれない。
どきどきしてしまう。
先生がいつもより近くにいる。
温かくて、気持ちよくて。
「せんせ……」
「ん、」
「すき、せんせ、すき、です……」
「ん、俺も」
そんな嬉しそうに、笑ってくれるなんて。
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