2
抱き上げられて、ベッドにおろされた。
驚くまもなく先生が乗っかってきて、顔中にキスの雨。
する、と脇腹に熱い手が入ってきた。
｢せっ……んせ、｣
｢……嫌？｣
｢っ……や、じゃな、けど｣
よく、わからないから。
こういうことをするのは初めてだし、まして、おとこのひと、なんて。
どうすればいいのか、何もわからない。
拙く伝えると、先生は優しく笑った。
馬鹿にするようなそれじゃなく、嬉しそうに。
｢俺が初めてか、｣
｢っ、お、にいちゃんと、は｣
｢………｣
｢……ごめ、なさい｣
｢………抱いたことは、なかったよ｣
額に、軽く唇が落とされる。
｢大切にする｣
｢……はい、｣
お兄ちゃんの代わりじゃない。
お兄ちゃんも、知らない。
嬉しかった。
言葉通り、先生はゆっくりと、僕の服を脱がしていった。
どうすればいいかわからないから、僕はただ、先生の首にきゅっと腕を回していて。
｢っ、そ、こっ……｣
胸を指でなぞったり、摘ままれたりされた。
よくわからない感覚で、背中がぞくぞくする。
｢ぼ、僕、おんなのこじゃ、なっ……｣
｢わかってる。おとこでも気持ちよくなんの｣
｢くすぐった……｣
まだ早いかな、と先生は一つキスを落として、そこから離れる。
｢……綺麗｣
｢見な、で、ください……｣
｢やだ｣
上半身だけでも恥ずかしいのに、下を脱がそうとする。
｢脱がないと出来ないけど｣
｢は、恥ずかしい、です……｣
｢顔真っ赤｣
言われると、また顔に熱が集まるのがわかる。
先生は少しだけ笑って、僕の肩に顔をうずめた。
｢恥ずかしいなら、しがみついてていいから｣
｢……う……｣
顔を見られないだけいいかもしれない。
先生の頭を抱き締めるようにして、少しだけ腰をあげた。
一気に脱がされて、シーツの冷たさが肌に伝う。
太股に先生の手が這って、びくっと身体が動くのがわかった。
｢陸、手、離して？｣
｢っ……や、です……｣
手を離したら、顔を、身体を見られてしまう。
耳元にかかる吐息がくすぐったかったけれど、さらに強く、腕に力をこめた。
前へ top 次へ