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side.譲
「っ……!」
気付いたら、陸がいなかった。
飛び起きて、寝室を覗いても、バスルームを覗いても、どこにもいない。
まだ、目が見えていないのに。
「陸っ……」
冷や汗が出た。
部屋の中にいない以上、外に出たとしか思えない。
どこに?
どうやって?
もしかして、誰かに……?
嫌な考えを振り払ったのは、寝室から消えていた陸の服。
財布や携帯もない。
玄関の鍵も、かかっていた。
はっとして、携帯に電話をかける。
「っくそ、」
電源が、切られているようだった。
誰かに連れていかれたとは考えにくい。
自分の、意思で。
でも、どうして?
「っ………」
ただの買い物にしても、目の見えない陸には危ない。
急いで車のキーをとった。
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