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あったかくて、さっきまで寝てたはずなのに、眠たくなってきた。
「……陸、覚えてるか」
うつらうつらしていると、先生がそう切り出した。
僕の返事を待たず、言葉を紡ぐ。
「俺が、付き合って、って言った日」
もしかして、独り言なのかもしれない。
「一緒だと、思ったんだ」
そっと、頭を撫でながら。
「一人で、傷付いてるって。だから、俺がそばにいてやりたいって、思ったんだ」
つ、と傷の残る腕に手を這わされた。
無意識に、びくりとしてしまう。
「何があっても、どんなになっても、俺は受け止めるって、決めた」
どうしてかな。
目が、熱い。
「俺が、ずっとそばにいる。俺には、陸が必要だから」
先生、
どんな顔、してるの?
「愛してる」
これは、夢?
じわりとこめかみを流れた涙の感覚も、夢の中なのかな。
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