4
 

同じ夢を、繰り返した。

長い長い、廊下。
走っても同じ景色。

走り疲れて、足は動かない。
足枷は、重い。
じゃらり、鎖が鳴る。



『せんせっ……』



手を伸ばす。
暗闇の先。
鎖が邪魔して動けない。

先生の姿は、。
気付いて、助けて。
気付かないで、見ないで。



『裏切り者』



先生の声。
息が詰まる。
息が、出来ない。

足は重い。
身体は動かない。
そんな目で見ないで。
僕を、見ないで。

遠退いていく、影。
小さくなる、足音。

行かないで、
行かないで、

手を伸ばしても、届かない。



『イラナイ』



どうして、
もう、抱き締めてくれないの。



『ヒトゴロシ』



にやりと、影に浮かぶ、半月の口。



どろりと、僕の手が、溶ける。



冷たい手が、僕の首に、かかって、





「やああ――――っ!」



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