5
「ごめんな」
「……っ、きらっ……に、なって、ない?」
「ないよ」
頬にキスされた。
瞼に、額に、キスの雨。
よかった、俺、嫌われたんじゃなかった。
不安で、不安で、不安で。
樹がやきもちやいてくれたのは……正直嬉しかったけど。
怖かった。
「羽鳥、先輩……謝って、くれて、で、しあわせになれって」
「……ん」
「樹となら、って……俺、おもっ、ん」
言葉を遮るように口にキスされた。
啄むようなそれから、次第に深くなっていく。
「……かわい、遥」
「っは、ぁ……」
「しあわせにする」
久しぶりに、樹が笑ってくれた。
俺、もう、しあわせだ。
「ずっと……大切にしたくて、我慢してたけど」
「ひゃ、っ」
するりと、樹の手が脇腹を撫でた。
はだけてるの、すっかり忘れてた。
ぞくぞくして、俺はぎゅっと樹に抱きついた。
耳元で、樹の声がした。
「……俺のモノに、していい?」
「……うん……」
樹は照れ臭そうに、でも嬉しそう笑って、俺の首元に顔をうずめた。
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